ストーリー

平川は全く売れない童話作家。一冊の本も出版したことがない彼にとって唯一の作品の発表の場は、近所の怪獣公園で子供たちを集めて開く、お話会だ。  ”想像する顔”を忘れた子供たちがこの時ばかりは目を輝かせて平川のお話に聞き入る。でもその内容は、正直者が損をしたり、半端な学歴は役に立たないということを諭してしまう、妙に現実的なものばかり。子供たちの母親から吊し上げを食ってしまう。

 そしてその公園に、平川が前回話した童話の登場人物に扮装して現れる、奇妙な男が現れるようになった。
 頼りない平川を、友達の童話作家(こちらはまあまあ食えている)国尾は、心配してあれこれ世話を焼く。TV局に勤める評判の良くない友人・小杉から金を借り続ける平川に忠告したり、ご飯をご馳走したり。

 貧乏でもそれなりにささやかな幸福があった平川の生活。それを激変させたのは、見学に行ったTV局での女優・アキラとの出会いだった。生まれて初めて恋に落ちた平川。その喜びは、彼に素晴らしい傑作を書かせるのだった。
 しかし、その先ではー。

 人の心が織りなす魔力がファンタジーをホラーへと惹きこんでゆく。

jnapi